作品という名の暴力

望まないことが起こるのが世の中

やってほしくないことをやってくる人がいるのが世の中

悪意を言葉で包んで正当化

会ったことのない誰かを傷つけていることは眼中に無い

 

2021年5月 全くうれしくないドラマの発表。タイトルからして喜べない。段々内容がわかってくると、どこまでやってしまうのだろうと不安でいっぱいになった。

「この人ジャニーズなんです。コンサートでうちわやフォトセットやかわいいグッズが売られるような人なんです。うちわには本人の顔がプリントされていて、歌で力をもらって頑張ろうと思わせてくれるような存在の人なんです。

 原作の内容からして自堕落な女遊びといったシーンがあるのでしょうが、どうかやらせ過ぎないで下さい。やらなくてもいいような無駄なキスシーンやベッドシーンが日本のドラマは多過ぎると思います。」

私はテレビ局にこんな手紙を送ろうか悩んだ。でもジャニーズ、まさかそこまでひどいシーンをやらせるはずは無いと、大丈夫と言い聞かせて不安なまま過ごした。

 

 実際に5月6日にメモったのが後から出てきた→「勝手に魅了されて、いざ何かしら結婚ですが発表されれば勝手に泣いて呆然として後は勝手に耐えるのみです。

疑似恋愛に一人で沸いて一人でショックを受ける。

応援に見返りは求めちゃいけないし、この人だけは裏切らない、絶対的な安心感にすがって心の糧、拠り所、避難所、安全地帯の存在です。大切に扱って下さい。

アイドルだから、ジャニーズだからここまでではつまらない作品になる。

自堕落な遊びを表現するためにそういうシーンをやるのでしょうが、日本のドラマは無駄に多すぎると思います。

脱げば体当たりの演技。キスシーン等あっても意味ないな、と思うことがたくさんあります。俳優に無駄にやらせ過ぎないで下さい。」←かなりな重さです。多分必死でした。走り書きなのでまとまりありません。

 

6月 予告が解禁された。昼頃だったと思う。仕事が休みだったのでこわごわ見た。事前に「濡れ場」があるとされていた。

見た後、私は部屋にあったこの人とこの人の所属するグループ関連のグッズを段ボールにしまい始めた。

 

7月 とうとう初回放送日。こわくてこわくて楽しみでもなんでもない。実際は予告どころじゃないらしい、本人がブログで書いていた。別に濡れ場のことを言ってるのじゃないかもしれない、一生懸命自分を大丈夫と言い聞かせて放送を迎えた。

 

 食卓で女の服をまくりあげてブラジャーの胸丸出し、下も脱がせて、モザイクまでいかないのが地上波配慮か?

どんな連中で話し合ったらこれOKになるんだよ?

これを面白いと思うかどうかは………面白いわけないだろ

そして自分も脱いで下半身出して一瞬悪い顔して例の動きをしている。ああ、見たくない。撮影トリックだけど同じこと。一枚の絵におさまっている絶望感。映像をつなぎ合わせたものならまだ自分をなぐさめられたかもしれない。女を脱がせて丸出しにしてる動きが一枚のフレーム内で行われている。

ああ、ここまでやってしまったか…………絶望。

隠れっぱなしだった女の顔をジャンパー破いて喘ぎ顔確認。

 

二人ともパンツ見せつつ情事後を過ごす。

 

旅館。  ああ、いかにもな照明加減。性欲でテンションMAXであっちこっち向かせて、うわー、手縛るとかアイドルにやらせるかね、なんだこのSM設定。

女が突かれて胸が揺れてる横からのアングル。ああ、ひどい。うわっ、髪の毛つかんで顔上げさせて真正面から撮ってる。胸が揺れるやつがまた。よく平気だなこの人、きついなー。

後ろで例の動きで腰振ってるのがおぼろげに見える。ここが一番きついかな。きつすぎて心が無…。

 

 終わった。とにかく終わった。ひとつのささやかで、でも全てだった自分にとっての大切な世界がくずれて消えた。世界を返してとどこに言えるわけでもない。世界があったことは自分しか知らない。小さなことにも胸がいっぱいになり、この世で信じられる存在があるからと毎日をやり過ごしてつないできた。

 最初からAVとして見たならなんだ金返せ。アイドルを応援してる流れでなんでブラジャー丸出しとか胸が揺れてるのを見ているのか…。

 

ジャニーズ史上一番残酷な姿を見せたと思う。

 

ジャニーズを全部知ってるわけでは全くないけれど。自分まで届いてきた中で。

アイドルという靴を一度履いたのなら、一生この姿は見せないでほしかった。やるならアイドルを一度やめてからにしてほしかった。

 自分が清廉潔白なわけでは全くない。むしろ汚れてしまったと思っているから、そんな自分の中にこんな純粋な気持ちがあったかと、アイドルを応援する中でその存在に気付く。ある日いつでも全力なアイドルを見て、この人全力だから自分も全力で応援するんだと、家族に宣言をした。家族が聞いてたかは不明。

 ドラマがもうこの言葉を書くのも嫌だが「濡れ場」だけではない、流れの一部でそこだけ言うのは下世話だとなると思う。でも一番心が死んだのはそこになってしまう。ファンとして過ごしてきたものにとっては役です、ドラマですと言われてもそう見ることは出来なかったです。

 一緒に熱い現場を過ごしたと達成感で晴れ晴れとした「ただリコチーム」の人達、SNSですんなり受け入れてお礼まで言う人達、どす黒い感情でどん底に落ちた自分。意識レベルが全く違う階層だ。

 

 人間のドラマを描きたかったとかの偽善は置いといて、このシーンが突出しちゃっている。殺人シーンなんて包丁の刺さり方がコントの刺さり方。途中で飛び越えてこなかったらもう地獄が続くだけ。

 最後には拍手が送れるんじゃないか、送れないとやらなくていいことをやった残念さ、無念さから解放されないと見続けた。地獄だ。8話でとうとうやめた。

  提供してくる通りに見た結果人間がどうなるのかも検証したかった。最後まで見ないと文句も言ってはいけないと思った。今までしてきたように彼の仕事をリアルタイムで感じたかった。

 気持ちがもう見たくないと訴えてきた。監禁紙パンツやくざや予告の上裸っぽい2人が向き合ってる画が劇画というか、男の作者による男の読者に向けた昭和な漫画みたいな感じがして、自坦(便利なのでそう呼ぶ)がその中にいるのがどうにも気持ち悪いというか居心地が悪い。もう無理だ、私見たくない。

 彼がくれるエンタメをひとつも見逃したくないと追ってきたけど、初めてやめようと思った。

 陰のある役はいいものだ。でも間違ってもこれではない。これではなかった。もっと本当に本物といえる人達とやってほしい。でももう期待も望むこともしない。しちゃいけないと今回でわかった。

 私はアイドルやジャニーズという言葉をバカにした意味では使っていない。神様から選ばれた人だけがその存在になれると思っている。ある日彼のステージ写真を見ていて「仏様?」と思った。神様から遣わされた人なんじゃないかと思った。本当のところはもちろん知れるわけがない。でも発せられるもの、目にできるものを信じている。

ここまで思われるのも芸能人にとっては負担だろうと思う。だから自分で自分のイメージを壊したくなるのかも知れない、とも思う。

 

関係者はコンサートでのこの人をひとつでもまともに見たことがあるのだろうか?

ペンライトを握りしめて一体いくつの目が彼らをどんな気持ちで見ているか考えたのだろうか?それは本人も。

 

コロナ渦で歌でメッセージでいろいろ届けてくれてた人がなぜこんな苦しめるものを提示してくるのか。命を削るようにしてなんつうシーンを撮っていたのか。逆にこちらのメンタルが削られている。

 

コロナで皆さん退屈でストレスが溜まっているでしょう。夏にぴったりなホラー、サスペンス、はやりの不倫もの、エロも夏にはたまらないでしょう。アイドルと不倫や中絶の組み合わせ、世間にショックを与えて反応が楽しみだ。視聴率にもつながる。

地上波ドラマで近年ここまでやったのは無かったでしょう?

コロナで夫婦、親子がギスギスしているからこれを見て夫婦の関係を見つめ直すきっかけに。あくまで夫婦の再生の物語。

 

ただそれだけをやりたかったのなら、役者だけの人にやらせろよ。

 

全くイメージが無い。力で役に寄せていってほしい。

ジャニーズとして一線を越えたもののほうが本人もやりがいがあると思った。

局のプロデューサーは全員ドラマをやった方がいい。

僕の作品は女性には受けがよくない(笑)

 

この人何言ってんの?

ものは言いよう。自分の都合のいいように。発想が鬼畜。

 

自分が心から面白いと思うものを作る。自分が心から面白いと思う人と作る。

 

見る人のことも考えろ!

 

この世には悪意が転がっていると久しぶりに気付いた。避けて選択しないといけないのだ。3ヶ月に渡り提供すべきものではない。TVドラマ史上に残る衝撃作、問題作になったはずだと喜ぶような人達なのだろう。

「やっぱジャニーズ使うとこうなっちゃいますよねー。」「でもまぁ、テレ東やばいぞ、なんかやってくれるぞ的なつかみはいけたんじゃないかと。」

関係者のへらへらと笑いながらのやりとりが浮かんできそうだ。

こっちはのんきにしている一般人と違って昼夜無く何倍も働いて真剣に作ってるんだ。自分達が作るものであんた達は日常では出来ない感情体験をできるんだ。

ほしいものとほしくないものがある。それがこの人達には伝わらない。

 

「座長」がTシャツを配ったと。ドラマの内容をパロったイラスト。私は引いた。作り話でも死を扱ってるわけでその軽さ、趣味の悪さに引いた。ほしいと喜んでいるファン。楽しいと思ってた世界、自分も輪の中にいた気になってたが、段々と輪の外から眺めるようになっていた。

 

他局のドラマをテンプレ演技だと言った監督がいたが、このドラマにいくつものテンプレ演技を見た。

そんなに文句たれるなら見なきゃいいものを、とも言っていた。

誰でも見れる媒体で0時なんて子供でも見れる時間にやる以上、文句言われることぐらい覚悟しておけ!!

 

孤独な闇を抱えた男+見た人が引くほどの性描写+かけ離れたイメージの役者にそれをやらせる

フェチじゃん?原作をフェチに寄せて改悪してるだけのフェチの具現化…

見た側が受ける心理的負担、ダメージは頭にはない。○○を表現したかったと言葉で飾り正当化へと持って行く。

SNSで主役アイドルのCD発売の店頭を撮ったどー、と上げる。歌番組も見たらしく写真を上げる。女のアイドルが主役で男の監督がこれやってたらどう?かなり気持ち悪いと思うが…

当人同士が喜んでるなら言ってるこっちがばかになるが。

お楽しみに!+絵文字のこちらの心理状態との落差……。SNSとジャニーズが写真を解禁したらしいことを呪った。ジャニーズがかたくなに写真を解禁しなかった意味がわかった。

  

 いろいろ考えた。彼は追い込まれるという経験をしてみたかったろうし、今まで自分に来てた役以外の役に飢えてもいただろう。この仕事をすれば役者としての道を用意する、芸能界はやっぱり恐ろしいところ、的な事なのかとか。

ジャニーズのレッテルになにくそとなることも多かったろうけど、そんなの言わせておけばいい。ここまで剥がすこと必要だったか。世の中聖域があるからいいんじゃないか?ジャニーズの突破口を開いたとか新境地とか挑戦とか、私は褒める気になれない。ジャニーさんこれ喜んでないんじゃないかと思う。

 

しかけてくれたことにしびれた。

必要とあればやるべき。

よくわからないまま「大丈夫でーす」と返事をした。

うおー、楽しみ

濡れ場をやらせていただけることに感謝しています

仕事にNOという選択肢はない

wantでもshoudでもなくmust

糸の切れた凧のようになってしまう

 

納得させてくれる言葉がほしくてほしくて雑誌のインタビュー記事をほとんど読んだ。

やっぱり全力で推していこう、と思うと違う記事で??と引っかかってしまい無理だった。どれが真意でどれが本当はそうじゃないのか頭に浮かんだり消えたりする。

 

 彼は作詞作曲をする。偶然なのか著名な方が二人ほど彼の曲をこれ以上ないくらいに褒めていた。私は偶然じゃないと思った。この人の才能の中で一番大事にしたほうがいいものを救うためにさりげなく援護してるように感じた。

でももうどうでもいい。

 

あと何話かでやっと終わる。予告が流れてくる。今までのイメージと違いすぎるいきなりの大人感。でも結局夫婦には見えなかった。日本のじめっとした湿度の高い暗い暗い底なし感の世界と自担の取り合わせが無理すぎて気持ちが悪い。かっこいいです。かっこいいですが、拒否反応で見たくない。

「ごちゃごちゃ言う人がいても…」

私もごちゃごちゃ言う人にいれられてしまった。

 

ドラマに負けない闇文章をもし読んでくれた方がいるならありがとうございました。これを読んでキwwwwとなる方はこのドラマを受け入れられる精神構造を持っている事を喜べばいいと思います。きっと上手く生きていける方達だと思います。

 

この「ドラマ」のように世になんでも放り投げていいのなら、私も放り投げさせてもらおうと思います。

制作者へ

自分たちと一部だけで喜んでないで誰もがそう思えるものを作ったらどうですか?

悲しみも身についてないものが作るな!!!!!!!!

 

賛否両論がむしろ快感なのだろう。私も万人受けよりマイナーなものを好むとこがあるけれど、でもこれは悪意と良心のなさを感じてしまう。

一生懸命作ればなんでもあり?

これがまかり通る世界、私はいたくない。

最後には癒やしがあります。だそうだ。

バカな私はひとり病んでしまった。

例の監督が今日も笑ってる写真をSNSに載せている。

 

ラスト、きっといい芝居をしたことだろう。

でもこの「作品」世界が嫌悪感で、やり方、出来、作る側の人間性にこれが本物とは思わない。もっといい縁とつながればいいのにと思うけど、本人も満足している様子。そこも本当にそうかはわからない。

たまたまファンになった取るに足らない者がひとりぎゃんぎゃん吠えても本当に滑稽だ。ファンとして過ごしてきてしまった者にとっては不本意にいろいろ失うことになるわけで、その苦しさを全く考えない今回の企画(こういうファンをふるいにかける目的もあったのだろうけど)……言葉がない。

 

 テレ○のドラマのスパイラルが見えた気がした。今、本人にもファンにも負担のないイメージを損なわないドラマをやっている清純派のタレントも、2年後にはアダルトで過激なドラマが本人も知らないところで今から計画されてるような気がした。

○○くんで何かやってみたいと局内で話があがった。

一発目は普通のドラマ。ミリオン○○ーもヤクザ好きが関わっているので、やくざや死体遺棄や指など出てきてはいたが役自体は本人に合った役だった。そこで撮影を通して信頼関係が出来る。本人にとっても久しぶりすぎるドラマのオファー、ファンもかなり喜んだ。感謝さえした。

 

今このドラマをできるのは事務所で○○くんしかいないと思う。

えげつない内容のグロい原作も見つかった。原作とはただ名前を借りるだけでいい。

2年後の2本目。一本目の義理、信頼、自分にとって新境地へ転機になるかもしれないとの思いから引き受ける。役者として挑戦したい気持ちももちろんあったと想像する。

 

2本目の監督はこのプロデューサーからの仕事は絶対に受けると決めているそう。好みをお互い熟知しているのだろう。そしてジャニーズを自分好みの脚本で好きに料理していいのだ。悪代官同士の取引のように感じた。この監督に役者を渡せばどうなってしまうかわかっていたはずだ。

役者が何を言っても端から見てると逆に大丈夫か?と見える。

 

少女漫画雑誌でいきなり謎のイケメングラビアで登場。ファンはそりゃ大喜びだ。お礼の手紙さえ書いた。ドラマの原作の出版社。この時から出演が決まっていたのだろう。チョコレートを持ったりカップを持ったりハートのクッションをかかえたり。その半年後に誰がこんなドラマで落とされると思っただろう。

マーケティングだったのか。夢いっぱいのファンがどれだけいるか反応を見たのだろうか。ドラマ放送後に騒いで勝手に宣伝してくれるデータを取りたかったのか。

 

 コミカルな明るい役だけやれということではない。ただ、役だからの一言でアイドルにはやってほしくないシーンのてんこ盛りが一生映像で世間に残ってしまうんだと、体に穴が開いてそれはこの先も埋まることはなくて、風がずっと吹いているような気持ちのまま大好きだったアイドルを見ることになる空虚さ。

わくわく最高の時間だった歌番組も空虚さが同居するようになった。

ほんの何ヶ月前には銭湯が舞台のドラマをめちゃくちゃ幸せな気持ちで見てた自分が。

 突然世界が変わったことにまだ慣れないだけ。

今までが間違っていたから今、自分はこんなことになっているのでしょう。

終わり

 

SNS上には普通に楽しんでいる人がいるのがわかる。猛反発をくらう文章だろうと思う。こんな人間もいてしまったという、それだけです。

 

全ては個人の見解です。